ラジオあにぞー(仮) 20100224増刊号


「耳で読むシリーズ第一弾」

兄藏の「DearTwilight」というお話のスピンオフストりーです。
裕季さんの朗読に即興でBGMをつけました
このコンテンツは「ラジオあにぞー(仮)」の増刊号として不定期で更新いたします。
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ラジオあにぞー(仮)は毎週日曜日22:00~配信 http://ani-zoo.com/radio/


スピンオフストーリー01

「situation of"DearTwilight"~ディアトワイライトの経緯~ 」

作文・監修  WordTeamDUNE

朗読     裕季

BGM    兄藏


第一話「ぼやけたイリュージョン」


"DimmerLight"はマジシャンです。
とはいっても生きる上での生業はとても辛く厳しい仕事をしています。
そんな彼にも2つだけ幸せを感じることがありました。
一つは、週末になると街の広場にある水銀灯に道具を立てかけて若い頃に覚えた手品を披露するのです。
お世辞にも上手いとはいえない演技に罵声や失笑も飛びますが、上手くできた時には暗くなり水銀灯のつく時間まで演技するのです。
多くの人は集まりませんが、観ていてくれる人が驚いたり、笑ったりする瞬間がたまらない喜びなのです。
そしてもう一つが行きつけのバーで「雨の夜」にだけ現れる"Twilight"の歌を聴くことです。
雨の夜とわかっていても、実際のところはいつ会えるのかもわからない。
そんな彼女の歌を聴けた時は幸せな気分になったものでした。
辛い仕事と週末の愉しみ。
そして、まれに聴ける歌姫の声のため、雨が降るのを待ち続ける寂しい姿。
この反芻が彼の生きている全てでした。
そしてまたいつものように週末。
いつものように手品をやっていました。
その日は不思議と普段より上手い演技が出来ました。
でも人はなかなか集まりません。
やがて、雲行きが怪しくなってきました。
いつも雨を待ち望んでるとは云っても、手品の道具も濡らすわけにはいけません。
この週末の愉しみの間だけは雨に降られては困るのです。
そんなことを考えていると、彼の手品を楽しみにしている観客が少しだけ集まりだしました。
日も暮れ辺りは薄暗く雨の匂いが立ち込め、人気がさらに減った広場の中、彼は静かに最後の演技を続けました。
その演技は今までの彼の中で会心の出来だったのです。
口上は饒舌になり、寸分の狂いもなく繰り出されるミスディレクション。
そして最大の見せ場が迫る時、水銀灯がまるで舞台装置のように彼を照らし、繰り出すハンドマジックは子供の頃憧れたイリュージョンサーカスにも引けをとらないほどの高揚を覚えながら終焉を迎えます。
演技に夢中で気付かなかったのですが、すでに小雨が降り、街は霧に包まれ、水銀灯は「舞台装置のイルミネーション」どころか、辺りを照らすにもなんとも頼りのない 「ぼやけた」ものでした。
口上は、やや弱々しく演技の終了を告げると、予想通り拍手は乏しいものでした。

雨のおかげで観客は足早に立ち去り、自分も手品の道具を早く片付けなくてはなりません。
あわてて荷物を整理していると ・ ・ ・
「お名前は?」 女性の声だった。
しかし、水に濡れてしまった道具のほうが心配なので 見向きもせず、 荷物を立てかけてある水銀灯のぼやけた灯り(Dimly Light)を皮肉って、おざなりに思いついた名前を彼女に告げた。
「ディマーライトだ!濡れますからあなたも早くおいきなさい!」
しかし、予想に反して会話は続いた。
「ディマーさん?私を知ってるでしょ?」
雨は「通り雨」だった。
荷物を片付ける前に雨雲は去り、 暗い雲の隙間からキレイな月とぼやけた街灯が、街を照らしていた。


-----to be continued?--